2013/05/17

めめめのくらげ
















ここ数日と言うもの
過去の怖さにひっぱられて

夜になると毎日ぐったり。

ぱっくりと時間が空いたこともあって
今日は気分転換することにしました。

 *

椹木野衣さんがコメントなさっていたことで
気になっていた

村上隆さん初監督の映画
「めめめのくらげ」を観て来ました。

すっごくいい映画でした!

 *

世の中には
何に対しても批判的な方はいらっしゃるので、

色んなツッコミを入れる人がいるんだろうなーというのは
思ったけれど、

これは本当にいい映画でした。
音楽の使い方も面白かったです!

途中から泣けて来ました。

 *

わたしが彼の作品に感動したのは、
Mo+での個展が最初でした。

わたしはART 一家に生まれて
美大で専門教育も受けさせていただいてはいるものの、

かなりの不勉強で
歴史的文脈には相当疎いです。

そんなこともあって、

それまで学生時代、
彼の記事を雑誌で見かけては、

この人不思議な人だなあーとスルーしていたのです。

でも、

あの展示を観た時に、
「この人、ものすごい本気で、すごい!」

と感じたのでした。

以来、どこか応援の気持ちで諸々の活動を拝見して来ました。
好きなアーティストさんの1人です。

 *

うちの父は、

アーティストは自らの手を動かすものだという
彼自身の固定概念から抜け出せないようで、

村上さんのことにいちいち文句をつけるのですが(笑)、
わたしは素敵だと思っています。

そんなこと言ったら、
映画監督なんてどうなっちゃうんでしょう(笑)!

彼の時代への貢献と、
表現のクオリティをちゃんと観て欲しいなあと思います。

(なんて、言ったら喧嘩になるから
ここに書くわたしもわたしです・笑)

 *

今回の映画は、
Twitter で情報を拾って知ったのですが、

観に来れて本当に良かったです。

 *

どうしてあの映画を見終わってこういう気持ちなのか、
上手く説明が出来ないのですが、

「心が洗われるようだ」と思います。

なんなのだろう、あの、純粋さに触れる感覚は!

大切なキラキラしたものが、
心の中にまだまだ入っていると気がつかされるような感動は!

 *

まだまだ小さかった頃、
世界は不思議に満ちていました。

そして友達というものが、

世界を占める割合の
凄まじい大きさを思い出します。

今よりも
もっともっと切実に、

もっともっと純粋に友達を想い、傷ついていたこと。

世界を真摯に見つめ、
疑問を感じ、率直に意見していたこと。

幼さによってもたらされる
それは、

世界がどれだけ発達しても、
きっと変わらないものなのだろうなとも思いました。

 *

この映画の世界は、とても愛おしかった。

 *

村上隆さんという人は、

その表現の数々から、
そもそも大変な勉強家であると感じています。

世界をしっかり観ているという感覚。
表現を届けようという真摯な姿勢をいつも感じます。

それは社会と個人の間で右往左往してしまう人が多い中で、
やはり希有な才能なのではないか、と思います。

そんな人の作られた映画。

世の中をとてもシンプルに
観ていらっしゃるのかもしれないな、

とも感じました。

現代の問題を極端に表現したら
あんな風にも見えるだろうということも思います。

あんなもんじゃないですよね。
あれは、まだまだ優しい捉え方のようにも感じます。

 *

現代日本社会は、
マズローの高次欲求を追い掛ける時代に突入しています。

それは、メンタルヘルスが
社会問題化していることからも判ることかも知れません。

大人の社会は、
そんなことに溺れかけているけれど。

…ひとたび、
子どもの世界に立ち戻って考えてみたら、

そこは相変わらずの風景なのかも知れません。

そうだ、忘れちゃいけない、こういう世界が、あったということ。
と思います。

 *

わたし達が子どもの頃には、
デジタルデバイスなんてありませんでしたし、

CG は今に比べたら、
出来損ないのおもちゃみたいでした。

そういう意味で、
変わったことは沢山あります。

でも、

そういう時代であっても、
子どもの感性は子どもの感性として生きている。

こうしてこの時代の子ども達に寄り添える感性って、
素晴らしいなあと、

こうして沢山の人を束ねて、
ひとつの表現として表せるって素晴らしいなあと思いました。

 *

子どもの方が知っている気がします。

みんな孤独だってこと(笑)。

子どもの頃の方が、
もっともっと世界はシビアでリアルで誤摩化せなかった。

もちろん
大人になると、

孤独だからこそ、

目の前の人がいかに大切かを感じることも出来るので、
豊かにはなるのだけれど(笑)。

でも、あの、透き通って、純粋で、
キラキラした感覚と日々向き合うには

ちょっと余白が足りない感じはあります(笑)。

 *

わたし自身がそうだけれど
自分のことに精一杯過ぎて、

子どもの世界に向き合って
大切にしてあげられる時間が少ないなあと思いました。

わたしのお仕事は、
どうしてもわたしのバックボーンを反映してしまうので、

今どうしたって大人向きのものだけれど、

だとしたら、
その大人の人達に

ほんのちょっとした心の余白を生み出せるものでありたいな、
とより一層強く思います。

 *

いいな〜、
わたしも「くらげ坊」と遊びたい!!!

わたしもストレスを精神的電荷にして、
そのマイナス粒子を実態化させたいよ〜!

へんてこかわいい「ふれんど」を持ちたいです。

巨大なフェレットみたいな
ふわふわでニョロットしたのがいいな。

その仔と一緒に、
六本木ヒルズのスタバでお茶したいです(笑)。

 *

続編が楽しみだし、
DVD 出たら買おうと思います。

ハーキマーダイアモンドの
ピアスを作りたくなるような映画でした。

いい映画でした!


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