2011/06/20

ありがとう
















gaku くんという木彫作家さんを知ったのは、

素敵な木彫りのネックレスをしていたことからでした。

心惹かれるものがあって、
「素敵だね~!」と話していました。

即座に欲しいなと思ったのですが、

なにせ節約必須な毎日なので、
機会があったら、と思っていました。

 *

震災後。

その彼が、

実は福島の原発から20km圏内に住んでいて、
家に帰れない。

そして今東京に居る、
と聴いた時に、

彼がもし作る意欲が湧くのであれば、
作品を作ってもらおう、

と思いました。

彼の作品を手にするのは
こんなタイミングなのか、とは思いつつ、

みほちゃんに紹介して、と
即座にお願いをしました。

 *

5月、gaku くんと会うことが出来ました。

持ってきている作品を
見せてもらいました。

その時の作品は、
出来れば改めて紹介したいなと思っています。

彼の木彫はもう、
ひとつずつ丁寧に大切に作りこまれた、

とてもいいものでした。

 *

ちょっとずつ
作る意欲が湧いてきている話だったので、

アクセサリーを作っていただくことにしました。

gaku くんが引き受けてくださって、
本当にうれしかったです。

 *

わたしにはひとつの想いがありました。

自分が入院中にベッドの上で、

大量の薬に意識朦朧とする中で、
時には泣きながら、

絵を沢山描いていたこと。

それによって
自分と向き合って、

確実に心を立ち上げてきたこと。

作る人は、作ることで自分を取り戻せる。
そんな強い確信。

記憶にあったgaku くんの羽は、
本当にモノづくりをする人の作品でしたし、

彼が福島から持ち出せていた
いくつかの作品を見せていただいて、

こういう人は、作った方がいい。
と強く思ったのでした。

そんな勝手な想いがありました。

 *

作品が出来たという知らせを受けて、
出来れば直接会って受け取りたいと思いました。

お茶をしましょうということで
日曜日に会い、

3時間ばかり、
2人でおしゃべりをしました。

 *

作っていただいた作品。

全然感動が写しこめてなくて、
なんかもう嫌になるなあと思うのですが、

観てください。

なんだか、
すごいな、という感動があり過ぎて、

早く開けたい!とか、
そういう気持ちも随分あって、

シャッターを押しても、
感動を写し取るだけの余裕が全然ありませんでした。

ゆっくりじっくりしにくいのは、
東京病かも知れません(笑)!

 *





















箱は、竹筒です。

そこに焼きで、
彼の鳥と、サインが刻まれています。

あるもので、
出来る範囲のことを

想いを持って行なう。

こうやってカタチにされてしまうと、
ああ、本当に参るなあと思います。

 *











開けて出てきた「ありがとう」の気持ちには、
正直、更に参りました。

こちらこそ、ありがとうだよ!と思います。

 *
















5月にgaku くんと一緒に選ばせていただいた、
手彫りの羽2枚は、

レインボームーンストーンを伴ってやってきました。

さやかさんには、
細い紐が合うと思って、

といったことを話してくれました。

この人は、

ちゃんと人の持つ空気を観て、
モノづくりが出来るのだなあ。

と思いました。

相手の感覚に寄り添えるかどうかは、
作家としてはクオリティの分かれどころだ、

という気持ちがあるのですが、
わたしにはまだ遠く及ばすの世界です。

彼はもう、
自分の作品を活かしながら、

相手に寄り添えるだけの力量があるのだなあと感じ、

ああ、すごいなあと思いました。

作っていただけて良かった、
と思いました。

 *




















原発事故によって、

思い描いていた未来が
めちゃくちゃになってしまった

gaku くんですが。

先月よりもずっと元気でした。

作ることって
向き合うことなんだと解った

といったことを話してくれていました。

そう。

その感覚。

ちょっと偉そうだけど、
取り戻してくれてありがとう、と思います。

 *











お家に帰ってきて、
写真を撮りました。

気がついたら3時間もおしゃべりをしていたので、
すっかり夜。

照明を用意する余裕もなく、
良さの半分も伝わらないのですが、

今、ポートフォリオの提出期限と、
決算とが待っている中で

制作時間を確保するために実に余裕がないので、
ホントにごめんなさい!

でもでも、
お見せしたかったのです。

先送りにせず、
今日のうちに記事も書きたかったのですよ。

 *

作品を受け取って、
こちらが励まされてしまいました。

震災後、わたしが

制作の際に使っているのも
実はレインボームーンストーンです。

わたしにとって鳥は、
常に幸運を運んでくれる生き物です。

羽とクリスタル。
しかも、レインボームーンストーン。

本当に本当にありがとう、と思います。

 *

帰宅途中、
作っていただいた作品を観ながら、

わたしはここまで作れているだろうか?

と自分を省みました。

彼はおしゃべりの中で「想いを伝えたい」ということを
本当に繰り返し話してくれたのですが、

作品というのは、
言葉よりも常に雄弁に物語っているものですよね。

一切誤魔化せません。
全部出てしまいます。

想いを持って
こうして作られたものから伝わってくる感触は、

得がたいものだなあと思います。

なんというか、

魂を分けてもらっている感触と言うか(笑)。
上手く言えませんけれど。

わたしはまだまだだなあと、思います。

お客さまに、
ここまでのものを届けられるようになりたい。

もっといいものを作れるようになりたい
と思います。

 *

独り反省会はこの辺にして。

 *

福島の桜の木から掘り出された羽。

とにかく手にとれて
本当にうれしい作品でした。

ずっと大切にします。
gaku くん、本当にどうもありがとう。


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