2009/11/14

THIS IS IT
















マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を、
先週、今週と、2度観て来ました。

1度目を観た時、

ものすごい衝撃を受けて、

人のことはとやかく言うものじゃない。
感じるものだ。

と強く感じた以外は、殆ど言葉になりませんでした。

わたしは、割と、感じたことを
言葉にする習慣を持っているのですが、

そういう自分が、全く言葉に出来ないことに、
それはそれで衝撃を受けていました。

すぐに、もう一度観ようと思いました。

映画の最初と最後に涙が出たのは、
多分、亡くなっているということへの
感傷のせいだったように思いますが、

リハーサル映像は、おそろしくカッコ良くて、
彼が50歳だったということに脅威を覚えたし、

本当にエンタテインメントとして素晴らしくて、
見入ってしまいました。

作り上げていくことへの姿勢。
プロフェッショナルであったことを見せつけられて、

わたしは、作りたい、と思いました。
こんな風に創れるとは思えないけれど、創りたい。

創ることに本気になることは、
日常生活観を見失うことに近くて、
とても怖いことなのですが、

でも、その強い衝動がありました。

これっぽっちの自分と向き合うのは、
強い緊張を伴うけれど、

それでも、わたしは、作りたいと思うんだな…という。

 *

その夜は、

あまりにも完成された動きで
階段を降りてくる

MJの夢を見てリアル過ぎたので、

「わ!死んでいるのにコワイ!」と
夜中に目が覚めたりもしました。

珍しく映画館でサントラを買い
連日聴き続け、

過去のステージのことがすごく知りたくて
ライブ イン ブカレストをすぐに取り寄せ、

届いた日に1度、
翌日に朝から3度観続けて、

YouTube で過去のドキュメンタリーや
インタビューなどを見続けたりもしました。

この人は、本当は一体、どういう人だったのだろう?

ということがものすごく知りたくて、
知りたくて、知りたくて、

絶対に叶わないことを知っているからこそ言えるのですが、
彼のカウンセラーをやりたかった。と思いました。

 *

2度目を観る前に、

その日一緒に映画を観に行ったお友達と、
MJについて思うことを色々語り合いました。

過去の映像や写真を見つける中で、

ゴシップに取り上げられる
彼の目つきの、何かを逸してしまった感じは、
ものすごく痛々しいこと。

それなのに、リハーサルのMJ の素晴らしさ。

正常に機能している、
し過ぎている感じに圧倒されること。

 *

そして、2度目。

泣く暇はありませんでした。
彼のダンスは、本当に素晴らしかったです。

坂東玉三郎さんの「アマテラス」を
2度観に行ったことを思い出していました。

あの美しい動き。

若いダンサー達に囲まれた中であっても、
圧倒的なうまさ。洗練された動き、歌、姿。

彼からステージを奪ったものは、
一体なんだったのだろうかと思う一方で、

ゴシップの最中にも、彼は
踊り続けていたのだということが、

リハーサル映像からは明らかに感じ取れました。

おそらく、怠らず、踊り続けた。
それは一体どういうことだったのだろうかと。

MJ の心を想像すると、
想像し切れなくて、言葉に詰ります。

想像し切れない人生を歩んできた人の心。

本当のことはどうだったのだろう。

彼から観た世界はどんなだったのだろう。

知りたい、と思いました。












映画を観終わった後、

ランチをごちそうしてくれました。

赤いテーブルクロスと、
人の少ない早めの空間は少し寂しくて、

映画から感じたことを語る時間として
最適でした。

お野菜の美味しいスープをいただきながら、

MJ は、生きていたらこんな美味しいものも
まだまだ食べられたのに。

なんてことも、つい思ってしまいました。

人として幸せであって欲しかった、と
痛烈に思いました。

幸せそうに見えなかったけれど、
幸せを感じて生きていたことを祈りたいです。

食事の最後に使われたカップが、
オーラソーマの「大天使ミカエル」というボトルの色に見えて、

ミカエルのスペルは、マイケルなんだよなあ、とも思い、
強く思うことを人は引き寄せるものだなあと。

不思議な気持ちにもなりました。

 *

夢は叶うものだと、
強く思い描くことは起こると、

わたしは体験を通して
どこか信じているのですが。

MJ は、沢山の人に
自分の音楽(メッセージ)を届けたかった
のではないか?と。

それがこんなカタチで
叶ってしまったような気がして、なりませんでした。

もし、彼の死がなかったら、
「THIS IS IT」は、

友達がO2アリーナの前から3列目を押さえた
MJ の最後のステージ

でしかなかったと思います。
こんなに聴き直したりしなかったと思います。

 *

「THIS IS IT」については、
まだまだ語りつくせない気持ちでいっぱいです。

最高に楽しかった!という人もいるみたいだし、
泣き通しながら観る人もいるみたいです。

わたしは考えさせられました。
まだ考えています。

ものすごく沢山のことを
感じることの出来る映画だと思います。

映画上映は期間延長しているので、

観たいと思っている人は、思うだけじゃなくて
行った方がいいと思います。

あんなに表現出来る人がいて、
そしてもう、いないことが、

わたしには不思議でなりません。


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